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ザ・スーパー・ポップ宣言

甘茶ソウル百科2

甘茶ソウル百科事典の世界(2)
THE WORLD OF " ENCYCLOPEDIA OF SWEET SOUL " (2)

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画像は甘茶ソウル百科事典の販促用?DM


スウィート・ソウル・ベスト10 集計一覧

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マニアック甘茶ソウル@YOU TUBE


【 SWEET SOUL DISC GUIDE 300編 】

【 全体 】 甘茶ソウル300選の年代別セレクト状況

年度'50-'64 '65-'69 '70-'74 '75-'79 '80-'84 '85-'89 '90-'99
TERRY'S224333353
MOONY'S0332421751
BILLY'S041719202416

甘茶ソウル300選テリー、ムーニー&ビリー各氏の年代別セレクト状況をまとめてみました。

TERRY'S は、そのほとんどが'85以降に集中していることがわかります。これはテリーさんの影響が近年のGラップに移行してきていることを如実に示しております。私の要望としては、黄金の70年代甘茶ソウルのマイナーシングルの世界や甘茶創世期のDOO-WOPもの等をよりマニアックにつっこんで紹介して欲しかったところです。詳しいはずだものね。

MOONY'S は、そのセレクトされたアルバムの4分の3が70年代ということで、いかに70年代が甘茶ソウルの黄金時代であったかが分かります。

BILLY'S を見ると、まんべんなく配されており、甘茶ソウルの精神は年代を経ても脈々と受け継がれている証左とも言えるでしょう。





【 SWEET SOUL DISC GUIDE 300 TERRY'S SELLECT編 】

【 TERRY'S 007 】 C# SHARP / MY TURN TO SHINE P.29,41,124,160,171
c sharp c_sharpdont_send_me_away.jpg JR FUNK.jpg
C# SHARP は、正確には「C#」だけでもってグループ名なのだろうけど、それだけじゃ分かり難いだろうから、「C# SHARP」と文字ったのでしょう。C# というのは、音楽用語(記号)?として使われているものなのだろうけど、これが表す特定の音?が音楽業界において何か特別な意味を持つのかどうか気になるところではあります。

さて、そんな洒落たグループ名をつけた彼らが出したお皿は、テリーさんの猛プッシュのおかげか、日本の甘茶好きの方なら知らない人はいないだろうほど有名なお皿となっています。

C# SHARP / MY TURN TO SHINE (ROCK CANDY 24)'86

このお皿の魅力については今更私なんぞが語る余地は残されておりませんが若干の補足とコメントを。
12" の収録時間は実測約 5'55"
7" の収録時間は実測約 4'00"
となっておりまして当然聴くなら12" の方。因みに 7" の方は2フレーズ、約30秒のイントロがそっくり抜けていて、ほぼいきなり歌いだします。で、7" の方でも聴ける後半の語り部分なんですが、これは二部構成になってまして、7" の方は、二部目がそっくり抜けてます。

この男同士の語り合い(なぐさめ合い?)と妖しいルックス(特に左上の奴)でもって、テリーさんをして彼らをおかまグループと呼ばせしめているのだろうけれど、おかまさんの持つ感性は特殊な輝きを持つ場合が多いから、この曲の醸し出す特別濃厚な妖しさや一風変わった洒落たグループ名とともに、このC# = おかま説 により一層の説得力を持たせているな、と感じさせます。またちょっと短いですが、FADE OUT 直後にはファルセットが、まさにチンポ玉乱といった風情のシャウトを繰り出し、なかなかの味わいとなっています。

因みにこの曲の元歌となっている
J.R.FUNK & THE LOVE MACHINE / I JUST HOPE YOU UNDERSTAND LP「GOOD LOVIN'(BRASS 12011)'81」収録
甘茶ソウル百科事典P.29,171,TERRY'S SELLECT 030
も又、語り中心の無茶甘茶な曲で、プッシュ音、テレフォントーク、キッス音、と擬音もてんこ盛りです。しかも、こちらもかなりのグレードの高さ!

【 TERRY'S 009 】 SISTERS LOVE / ARE YOU LONELY ? (A&M 8581)
SISTERS LOVE
プロデュースはGENE CHANDLER。アレンジはTOM TOM。かなりDEEPな歌声なのに何故かテリー氏はセレクト。コーラスや全体の曲調は明るく軽やかでポップとさえ言える。メロディは甘いと言えば甘いが、甘い辛い云々というよりも何より素晴らしく良く出来た旋律である。そして更に特筆すべきなのはリードの女性のドDEEPな歌声だ。情感たっぷりに歌い上げ、起伏は激しく、感情表現も豊かだ。特に盛り上がり部分の絶唱ぶりは鳥肌ものでグレイトすぎ!彼女達はフリーソウル/クラブシーンでも「GIVE ME YOUR LOVE」(FREE SOUL PARADE収録)が人気のようだが、この「ARE YOU LONELY ?」の方が音楽史的には圧倒的に重要だ。

【 TERRY'S 013 】 SANDEE' / LET'S STAY IN LOVE P.38

フラミンゴ・テリー、ムーニー&ビリー架空対談【SANDEE'編】

SANDEE.jpg

(1A)SANDEE' / LET'S STAY IN LOVE (VOCAL) 12"(GOLD 101) '86
(1B)SANDEE' / LET'S STAY IN LOVE (INST.)
(2A)SANDEE / YOU'RE THE ONE 12"(EAST WEST 3002)'87
(2B)SANDEE / YOU'RE THE ONE (MIAMI MIX),DUB
(3A)SANDEE / YOU'RE THE ONE 12"(ATLANTIC 1036) '87
(3B)SANDEE / YOU'RE THE ONE (MIAMI MIX , ORIGINAL MIX , NEW YORK MIX),DUB
(4A)SANDEE' / ALWAYS BESIDE ME (CLUB) 12"(EAST WEST 3005)'87
(4B)SANDEE' / ALWAYS BESIDE ME (DUB),(BONUS BEATS)

ビリ:謎につつまれたSANDEE'嬢ですが、とりあえずかき集めることの出来た上記の4枚からその正体を分析してみましょう。

テリ:ずいぶん軽く言うねー、ビリー君。(1)は、私のここ数年で一番の喉手、涎皿なんだよ。一体どこで手に入れたの?欲ちいー、譲って!御願い。

ビリ:如何にテリーさんの御願いとあっても今回のこればっかりは譲れませんねー(笑)。私も「そこそこ」気に入ってますからねー。

テリ:そこそこって君ねえ、、、、。

ムー:ま、トレード王にうまく騙し取られないようにね、ビリー君。

テリ:チ、チ、チンポ玉乱!

ビリ:まず(1)ですが、こうしてB面のインストバージョンも聴いてみると、このバックあってこその甘茶曲って気がしませんか?とろりんギターに甘いストリングス、そして70年代ムード漂う甘いコーラスワーク、、、、。それをバックに歌い上げるSANDEE'嬢もセクシーといえばセクシーだけどこちらは唯一無二のという程でも無いと思うんですけど、、、、。

ムー:MYSTERIOUS のKEVIN FOSTER , JULIA LOFTON が KEYBOARD と CHORUS を担当しているんですけど、この二人がFIRST KLASSのメンバーってことなんでしょうかねえ?たしかにバックの音にはFIRST KLASS / LOVE ME AGAINに通じるSWEETNESSを感じさせますね。出来は甲乙つけ難いけど、歌の甘茶度の差で僕はLOVE ME AGAINの方がいいなー。

テリ:まだまだ聴き込みが浅いねえ、二人とも。ま、別にいいんだけどさ、この良さを分かってもらえなくても、、、、お皿さえ手に入ればね(笑)。それにしても、このMYSTERIOUS の音とSANDEE'嬢の相性の良さというものは分かってもらえたでしょ?奇跡の配合といえるよ。

ビリ:続いての(2),(3)なんですが、この二枚は基本的には同じ曲なんだけど、まるでグロリア・エステファン&マイアミ・サウンド・マシーンってなノリのトロピカルなクラブサウンドですねー(笑)。さすがのテリーさんもこれにはがっかりでしょ?

ムー:長年恋焦がれていた相手が実は男じゃなかったって事が分かったぐらいの衝撃でしょうか?

テリ:それはショック大きそうだな(笑)。でも(1)のSANDEE'嬢と、(2),(3)のSANDEE嬢ってのは別人なんじゃないの?

ビリ:いや。両曲とも出だしの息を吸ってから4節の語りから始まるとこといい、セクシーな語り具合といい、哀愁漂う歌声といいどれをとっても同一人物ですよ、これは。まあ、認めたくない気持ちは分かりますけど。

ムー:(2),(4)ともDISTRIBUTEは、FLORIDAの会社だし、(1)も、DISTRIBUTEはFLORIDAの4-SIGHTだしね。

ビリ:あの STEPHAN / AFTER THE STORM を出したところね。4-SIGHTの簡易ジャケに包まれたSANDEE'皿ってのもなかなかいい趣きがありますよ。

テリ:くやちー(涙)。これ以上俺を苦しめないでくれよー。

ビリ:(4)もちょっとダンサブルなクラブサウンドってとこですけど、私にはつらいノリです。こうして聴かされるとMYSTERIOUS のバックが如何に重要だったか思い知らされますよね。ダンサー好きのムーニーさんはいかがですか?

ムー:いや、全く駄目だよこういうのは。DUB VERSION に至っては全く我々の守備範囲外ってとこでしょ。

テリ:ああ、俺のSANDEE'嬢が、二人にボロボロにされちゃって、、、、。

ビリ:(2),(3)ではMIAMI MIX なんてのまであるし、よほどMIAMIに土着した女性みたいだよね。バックの面々の名前もヒスパニック系が多いし、結論としては、きっとこのSANDEE'嬢ってのは、MIAMI在住のヒスパニック系ってとこでしょうね。ルックスはきっとグロリア・エステファン似ですよ。

テリ:、、、、か、体だけは似てくれててもいいかな。

ムー:いじめるのは、これぐらいにしといてあげましょうかね(笑)。

【 TERRY'S 018 】 JERRY WARREN / I REALLY LOVE YOU

JERRY WARREN.jpg YUMURA DICTIONARY 1.jpg YUMURA DICTIONARY 2.jpg

86年作でディープ臭漂うバリトン・シンガーの歌うスロウ。「CURTIS MAYFIELD / TRIPPING OUT '80」風の特徴あるベースラインを中心としたとてもシンプルなサウンドをバックに、控えめで透明感のある女性コーラス、ストリングスを伴い、ひたすら絶唱しまくるバラードです。ファルセットも男性コーラスも無し+絶唱ということで甘茶ソウルっぽさは薄い。然しながら冒頭に入る長めの甘い語りとトローリとしたギターなどで甘くコーティングされており、成る程テリー氏が絶賛するだけの何かを感じさせてくれる。

この曲の存在を初めて知ったのは、テリー氏が90年代前半に桑原茂一氏主宰の雑誌DICTIONARYに掲載した「確実におとせる!ナオンを口説くのにグンバツに役立つ究極の必聴必携甘茶ソウル盤」という小文(画像2,3)。この小文こそ私を本格的に甘茶ソウルの世界へと導くきっかけとなったもの。当時私がまったく見たことも聞いたことも無いレア高値皿とやらを5枚も並べ、テリー氏独特の小粋なしゃべくりでその魅力を伝えるこの小文を読んだ私は、まさに雷に撃たれたかのようにビビビーンと甘ーい衝撃に体を貫かれてしまったのであります。ここに書いてあるリストと文を毎日のように繰り返し読んでは、未だ聴けぬ、超極甘であろう甘茶ソウルに想い焦がれたのでありました。

【 TERRY'S 057 】 FROSTY / I NEED LLOVE NOW
FROSTY
このカバー曲、私は非常に高い評価をしています。LL COOL J / I NEED LOVE のカバーですが、こちらは確かラップ曲初の全米ナンバー1ヒット。所謂ラブラップのはしりともいえる非常に歴史的価値の高い名曲な訳で、その事に対するリスぺクトは欠かせないのですが、こと甘茶という観点から捉えると、この FROSTY のバージョンの足元にも及ばないと私は言い切ってしまいましょう。

端的に言うと LL COOL J の方のバックの音は、良く言えば一般性を持っている、悪く言えば作りに木目細かさが無い。いかにも機械臭の漂う打ち込み音にちっとも温かみ、甘みがなく、従って LL との一体感も薄い。(もちろんこの辺が売れる要素の一つであったのだろうことは否定しないけど。)

それに対してこの FROSTY ちゃんのバージョンは、いきなり冒頭のシンセ?による演奏にじんわりと温かみがあり、しっとり感があり、季節感(窓の外ではシンシンと雪が降ってます)があり、甘みがある。音程も微妙に変えてあって、その効果も非常に大きい。

LL のはいきなりラップから始まりますが、こちらは可愛らしい語りから入るのがこれまた溜まりません。その後のラップの舌足らずで可愛いこと!そのお声とバックの音がしっとりと溶け合って、何とも言えない、ある意味少女趣味的なロマンチック&ドリーミーな世界を展開しております。終盤にはそんな鬼可愛ゆいお声でエッチな甘い喘ぎ声をあげて下さるんですから、もうホントに『チンポ、玉玉、乱乱乱!』ですなー。

【 TERRY'S 059 】 OSD FEATURING QUE / SWEET ENUFF (TSOV 0005)'83



甘茶ソウル百科事典 TERRY'S SELLECT においては、甘茶者なら万人が認める傑作曲がある一方、テリー・ジョンスンご本人以外の一体誰が甘茶100選に選ぶだろうか???と疑問符を付けずにいられない曲も「沢山」あります。従って、テリーズ・セレクト皿に関しては、購入前には曲の評判をアチコチで訊いて確かめておくのが賢明でしょう。

この、誰もネットで話題にしない、検索しても世界中で一件も引っ掛からない、83年度のバージニア産皿もそんな一枚。但し、どう聴いても駄作だろう、という曲なのではなく、テリー氏の感性には付いていけませんワ、という類の曲。

曲の基本は同じくTERRY'S SELLECT 060の「REFLECTIONS OF TIME featuring PADRO / JOY」タイプで、ヴォーカル・レスで延々語り中心に構成されている。REFLECTIONS OF TIMEとの違いは、この曲の方は女性コーラスが付くことと、バック・サウンドにポピュラリティが無いこと。スカスカのバックは幾ばくかのトロリとしたギターとヒャラヒャラと捉えどころのないシンセ音で構成されている。これが何やらユーロ・プログレ風というか前衛音楽的というか、全く温かみとか甘い情感とかソウルを感じさせない代物。時折何の前触れもなく突然切れ込んでくる女性コーラスは悲しみと物の哀れを感じさせるようもので一応は効果的に働いている。語りの方はあまり抑揚もなく、取り立てて甘くもなければ渋くも無い感じ。

何にせよヴォーカルが無いんだからソウルとして聴くにはとてもツラく、更に全体として捉えどころが無い、スカスカとした空間と曲そのものが分かりにくいという点においては、あのREFLECTIONS OF TIMEのトンデモ曲が名曲に思えてしまう程。なのにテリー氏は「甘茶度」、「妖しさ度」、「エロ度」の3部門において満点の星5つをあげているのだからどうにも理解不能(笑)。ただ、甘茶か甘茶じゃないかと言ったら甘茶以外の何物でもないんだよなあ、、、。

【 TERRY'S 060 】 REFLECTIONS OF TIME FEATURING PADRO / SWEET ROMANTIC AND SEXY JOY
(PLG777)

REFLECTIONS OF TIME
ソウル系のHPやブログでこのアルバムのレビューを見る機会は多い。甘茶ソウル百科事典でテリーさんが大きく取り上げているし、U.S.BDGでも高沢仁さんが究極のレア盤で取り上げているからであろう。某通販店でテリーさんが○万円ビッドしても落とせなかったというような高値な噂話も聞く。まあ話題先行の際たるお皿ではある。然しながらこのお皿の真の実態を伝える話は未だかつて見たことがないから非常に情けない。

このお皿の実態であるが、「JOY」というおかま声のPADROさんがアヘアヘ一人芝居をやってる一曲を除いて全て『MOMENTSのレコードの曲をそのまま収録した』完全なるブート、海賊盤である。あの偉大なる甘茶ソウルグループ、モーメンツの音がそのまま劣悪な音で収録されているだけなのである。

テリーさんが書いている『モーメンツのそっくりさんグループ』というのは間違いでモーメンツそのものなのである。甘茶ソウル百科事典が発行されてほどなくインターネット時代を迎えた訳だが、その頃から現在に至るまでソウル系のHPやブログでこのアルバムのレビューを見る機会は多いが、この事実に触れているものを私は見たことがない。中には洒落であえてその事実に触れていない人もいるのだろうが、ほとんどの人は明らかにその事実に気づいていないと断言できる。

この事実は相当情けない。多くのソウルファンがレア高値盤だからといって邪道な「REFLECTIONS OF TIME」は聴いても、王道の「MOMENTS」は聴いてないことの証左とも言えるし、「MOMENTS」のレコードを持っててもろくに聴きこんでないからその事実に気づかない人が多い、ということであろう。レコードコレクターの悲しい側面をまざまざと見せつけられた思いだ。それとこんな完全なブートレッグを堂々と販売している大手レコード店もどうかしてるな。

以上の観点から、この事実に気づかずにこのアルバムを褒めてるのを見かけたならば、どうか冷笑、軽蔑してあげて下さいな。

【 TERRY'S 061 】 THOMPSONS / I'LL GET OVER IT
THOMPSONS
ロッキングオン誌に係っていた大類信氏が発行していた『SALE2(セールセコンド)』という雑誌の初期には、岩谷宏さんが連載していた。なので私も友の会の会員になったりして定期購読していたのだが、そこで偶然目にしたのが湯村輝彦氏のトンプソンズ話だった。湯村輝彦氏の甘茶話で一番有名なのが、このTHOMPSONS にまつわる逸話ではないでしょうか。

未だ甘茶ソウルなど聴いたこともない青年時代にこの逸話(P.58)を初めて読んだ時の衝撃といったらそりゃあ凄かった。そこに私はお皿コレクター話の持つめくるめく禁断の甘美な世界を垣間見、未だ聴けぬ超高値皿の音世界を夢想したものです。一体一枚数万円もするレコードで聴ける世界はどれほど甘美な世界なのだろう、と。(当時はDOO-WOP のグループだと思っていましたが。)

それが聴けたのは最初にこの話を読んでから実に10年近くたってからのことなのですが、その間ずっとこのお皿に想いをめぐらせていた私は、何よりも聴けたという満足感が先にきまして、音の方は最初はピンときませんでしたね。このALBUMから代表曲を選ぶとなるとやはりこのタイトル曲「I'LL GET OVER IT」になるのでしょう。ちょっと痛みのかかったゴスペルチックな曲で崇高な香りがします。トローリ甘いというのとは違って、ちょっと期待はずれにも思いましたが曲の水準はやはりかなり高いですね。

私の場合、一枚数万円もする甘いDOO-WOPの曲が存在する!という話を読んだ衝撃が、初体験にも似た甘美な想いそのものであった、というのがこの曲の原体験と言えます。曲そのものよりも曲への想いこそが大切な想い出になる、これも甘茶ソウルの素敵な一面ですね。テリーさん、いい夢を見させてくれてどうも有難うございました。

【 TERRY'S 070 】 STEPHAN / AFTER THE STORM (4-SIGHT 9-86-15)'86
STEPHAN  AFTER THE STORM.jpg
この曲は「甘茶ソウル歴代トップ10入り確実保証付き」てな感じでテリーさんが長年あちこちで書きまくったので甘茶ソウルファン以外にも相当知名度が浸透しているでしょう。但しその知名度とは裏腹に全く甘茶ソウルらしくないし、全然初心者に易しくない、至極難易度の高い曲と言えます。リードはファルセットじゃないし、男性コーラスも付かないし、何より曲調が全然甘くないね。

元歌はORAN"JUICE"JONES / THE RAINで、86年のヒット曲。ヒットしただけあってこちらは分かりやすいんだけど、STEPHAN版を聴いた後ではなんとも薄くヌルくて煮え切らない出来。一応TERRY'S 054ということで選曲されている訳だけど、私はORAN"JUICE"JONES版はちっともイイと思わないなあ。特にバックの打ち込みサウンドのチープ感はナサケナイ、、、。

それに対し、STEPHAN版のバックの臨場感、緊迫感は素晴らしく、かなりグレイドは高い。どしゃ降りの雨音や雷の擬音もグッド。リードの唱法も甘さは無いもののグイグイと歌いこんでいく様は迫力満点ネ。後半の語りもカッコイイー。

「テリー氏はイイと言うけど、全然良く(甘く)ないじゃん。」という感想をたまに目にするけど、それに対しては「曲の難易度が高い」との答えがしっくりくるかなあ。かくいう私もこの曲の良さが分かるまで数年かかりました(笑)。

【 TERRY'S 096-100 】 DR. YORK様の世界
studants

096.DR. YORK / SOMEONE'S BEEN SLEEPING IN MY BED
096.DR. YORK / OH YES
097.DR. YORK & SARAH DASH / IT'S TOO LATE(RAP VERSION)

ついにTERRY'S SELLECTもおしまいまで来てしまいました。謎の多いTERRY'Sの並びですが、その最後を飾るのにふさわしい我らがDR. YORK様のご登場です。個人的に気に入っている彼の曲を挙げると、順に

1.PLEASE STAY
2.LOVE WON'T LET ME WAIT
3.I NEED YOU BACK
4.YOU PLAYED THE FOOL
5.OH YES

となります。上位の曲が全く甘百に取り上げられていないのが残念ですが、それだけ彼の作る甘茶世界が奥の深い、幅の広いものだともいえるのでしょう。まるで、精子の海をプカプカと漂っているような、そんな不思議な甘い世界に浸らせてくれるのです。私が最近の活動状況が気になる、唯一のソウル系アーチストです。(アーチストって言葉は彼には合ってるよなあ。)

098.KENNE & PETITE / MAYBE (LOVE-MIX)

DOO-WOPの有名なヒット曲のカバー。エコーの効いたバックの音の広がり具合がまさにヨーク様の世界、、、、。そしてそれを十分に満喫できるのがこちらのLOVE-MIXでしょう。ここまで作る方も素晴らしいが、それを嗅ぎ取りこうして普及活動されるテリー氏のセンスも素晴らしい。そしてそんな彼等をわかる自分で良かったなあ、とシミジミ思うのです。

099.STUDANTS / TAKES A LITTLE TIME

ヨーク様、青少年を手がけました。このシングルのB面は「WOULD YOU BE MINE」という甘い曲で、やはり少女を手がけたPETITEの健全さとは違った何かが確実に潜んでいます。うっかり聴くといつのまにか妖しい青少年の禁断の世界に導かれてしまいますよ。

100.PETITE / SO FINE

PETITE TEENS がグループ名ではなく、ジャケに描かれているTEENSとは彼女達のアルバムタイトル。どなたか聴かれた方いらっしゃいます?私が持ってるこのシングル皿はPASSION LABELのファンクラブ向けのプロモ盤のようで、簡易ジャケにこのグループの詳細が説明されています。プロモ盤ってのはこういうもんだよ、とでもいいたげなヨーク様のこの辺の細かい仕事振りが、らしくっていいのです。

それによるとこの曲は彼女達のアイドル、MICHAEL JACKSON , NEW EDITIONに捧げられた曲とのことで、ネタ的には NEW EDITION / MR.TELEPHONE MAN 使いです。とまあ話題としては古いものがありますが、ちょっと凝ったヨーク様の甘いバック音は意外と古臭さを感じさせない、エバーグリーンなものがあるのです。これも彼の作る音世界のひとつの特徴ですね。





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